Q: JavaのコネクトとScalaのコネクタの違いは何ですか?
A: Javaのコネクト(jdbc-connector)とScalaのコネクタ(ldbc-connector)は、どちらもデータベースへの接続を提供しますが、以下の点で異なります。
A: Javaのコネクト(jdbc-connector)
Javaのコネクトは、従来のJDBC APIを利用してデータベースに接続します。
- JDBCドライバ(例:MySQLの場合は
mysql-connector-j
)に依存し、低レベルな設定が必要です。 - 接続の確立、クエリの実行、結果の取得は、従来の手続き型のAPIを使って実装されます。
import com.mysql.cj.jdbc.MysqlDataSource
import cats.effect.IO
import ldbc.dsl.DBIO
// データソースの設定とJDBCコネクタの利用例
val ds = new com.mysql.cj.jdbc.MysqlDataSource()
ds.setServerName("127.0.0.1")
ds.setPortNumber(13306)
ds.setDatabaseName("world")
ds.setUser("ldbc")
ds.setPassword("password")
val provider = ConnectionProvider.fromDataSource[IO](ex, ExecutionContexts.synchronous)
// JavaのJDBC APIに基づく接続の利用例
provider.use { conn =>
// PreparedStatementなどを利用してSQLを実行
DBIO.pure(()).commit(conn)
}
A: Scalaのコネクタ(ldbc-connector)
Scalaのコネクタは、型安全性と関数型プログラミングを活かしてデータベース接続を管理します。
- Cats Effectの
Resource
やIO
を利用し、接続の獲得・解放が安全に行えます。 - DSLやクエリビルダーと組み合わせることで、直感的なコードでデータ操作が可能です。
- また、ldbc-connectorはJVMだけでなく、Scala.jsやScala NativeといったJVM以外のプラットフォームでも動作します。
これにより、クロスプラットフォームな開発環境でのデータベース接続が容易に実現できます。
import cats.effect.IO
import ldbc.connector.*
import ldbc.dsl.DBIO
// ldbc-connectorを利用してコネクションを作成する例(JVM, Scala.js, Scala Native対応)
val provider =
ConnectionProvider
.default[IO]("127.0.0.1", 3306, "ldbc", "password", "ldbc")
.setSSL(SSL.Trusted)
// Scalaコネクタの利用例:内部でResourceを使って接続後に自動でクローズを保証
provider.use { conn =>
// ldbc DSLやDBIOを使ってSQLを実行できる
DBIO.pure(()).commit(conn)
}
A: 主な違い
- APIの設計思想:
Javaコネクトは従来のJDBCの手続き型APIをそのまま使用するのに対し、Scalaコネクタは関数型プログラミングを前提とし、型安全かつ宣言的な接続管理を実現しています。 - エラーハンドリングとリソース管理:
ScalaコネクタではCats EffectのResource
およびIO
を使うことで、接続の取得と解放が安全に行え、エラーハンドリングが簡潔に記述できます。 - 統合性:
Scalaコネクタは、ldbc DSLやクエリビルダーとシームレスに連携し、クエリの定義から実行まで統一された型安全なAPIを提供します。